マドリードは安全な街?
はい、大きな観光都市として当たり前の用心をしていれば安全です。暴力を伴う盗難は多くありません。旅行者から報告されるトラブルの大半は、人混みの中で携帯電話や財布をそっと抜き取られるもので、その場では本人も気づきません。旧市街は夜遅くまでにぎわっているので歩いて回るのが楽しい一方、混雑する時間帯にはスリも集まってきます。
市内には二つの警察がいます。国家警察(Policía Nacional)(濃紺の制服)は刑事事件の被害届を受け付け、警察署を運営しています。市警察(Policía Municipal)(青と蛍光イエローの制服、青白チェック柄のパトカー)は、特に中心部で街頭パトロールを行い、道案内もしてくれます。現行犯の窃盗であれば、どちらも対応できます。
盗難やケガに遭ったら?本当のトラブルはまれですが、書類の盗難やケガは、治療費がカバーされていればずっと対処しやすくなります。欧州健康保険証はヨーロッパ在住者の公的医療をカバーしますが、すべての費用や本国への搬送は対象外です。EU域外からの旅行者は全額自己負担です。医療・移送保険(SafetyWing、オンラインで加入、旅行期間に合わせて)は治療費と帰国の費用をカバーします。詳しくは旅行保険ガイドをご覧ください。
スリ:場所と手口
地下鉄と中心部の駅

スリがもっとも多いのは地下鉄です。ここ数か月に報じられたスリの逮捕は、ソル駅やグラン・ビア駅といった中心部の駅と、ラッシュ時の満員電車がほとんどです。典型的な手口は、数人のグループが乗車の際にドアをふさいで押し合いを起こし、あなたが前に進もうとしている間に、仲間の一人がポケットやバッグの中身を抜き取るというものです。犯人はドアが閉まる直前に降りてしまいます。
空港と中心部を結ぶ8号線は特に注意が必要です。スーツケースを抱え、疲れて地図に気を取られている旅行者は格好の標的になります。バッグは閉じて体の前で持ち、スマートフォンをスーツケースや座席の上に置かないでください。混みすぎている電車は、無理に乗らず見送りましょう。路線網と切符の詳細はマドリードの交通のガイドにまとめています。
人通りの多い広場と通り
屋外で注意すべきなのは、人々が立ち止まって眺めたり写真を撮ったりする場所です。プエルタ・デル・ソル(特にキロメートル・ゼロ地点と「熊とイチゴの木」の像のあたり)、アーケードのあるマヨール広場、そしてグラン・ビアとプレシアドス通り(週末はとても混み合うショッピング街)です。日曜の朝は、蚤の市エル・ラストロが狭い通りを人で埋め尽くします。持って行くのは必要最低限にしましょう。
テラス席でもっとも多い被害は、テーブルに置いた携帯電話を持ち去られることです。道を尋ねるふりをして差し出されたメニューや地図、新聞で電話を隠して盗むこともあります。携帯電話と財布は身につけ、バッグは膝の上に置くか、椅子の脚に通しておきましょう。
よくある詐欺
ローズマリー売りの女性
女性が近づいてきて、ローズマリーの小枝やカーネーションを手に握らせ、幸運や祝福の話をしながら手相を見ようと持ちかけます。いったん受け取ってしまうと、しつこくお金を要求されます。話で気をそらしている間に、仲間の女性がバッグに近づくこともあります。この手口は主にマヨール広場、プエルタ・デル・ソル、アルムデナ大聖堂の周辺で見られます。手には何も受け取らず、手はポケットに入れて、歩き続けてください。
偽の署名活動
耳が不自由だと装ったり、子どもや障がい者支援団体の名をかたったりする人が、署名用のノートを差し出してきます。署名すると寄付を求められ、腕の上に置かれたノートの陰で、別の手があなたのバッグを探っていることもあります。まっとうな団体が街頭でこのような募金をすることはありません。立ち止まらずに断りましょう。
いかさまストリートゲーム
三つのカップのどれかに小さな玉を隠すカップゲーム(スペイン語でtrile)が、グラン・ビア、ソル、その周辺の通りに定期的に現れます。玉の行方は簡単に追えそうに見え、通行人が目の前で勝ちますが、それはみなサクラです。ゲームはいかさまで、賭ければ必ず負けますし、人だかりはスリにとっても好都合です。
偽警官
まれですが、より不安になる手口です。私服の男が警察官を名乗り、バッジをさっと見せて財布や紙幣の確認を求めます。仲間が先に麻薬や両替を持ちかけて近づいてくることもあります。財布は軽くなって返ってきます。本物の警察官が、お金やカードの暗証番号を渡すよう求めることはありません。疑わしいときは身分証の提示を求め、財布は手に持ったまま、最寄りの警察署で話をするか、091に電話しようと提案してください。
ATMと外貨両替
ATMはできるだけ銀行の店舗内にあるものを使い、暗証番号を入力するときはキーパッドを手で隠してください。機械が詰まったようだからと手伝いを申し出る人には気をつけましょう。画面でカードの通貨への換算を勧められたら断り、ユーロでの引き落としを選んでください。事業者が適用するレートはたいてい不利です。引き出し手数料とカード決済については、マドリードのお金・支払い・チップのガイドで詳しく説明しています。
レストランとテラス席:身を守るルール
マヨール広場やプエルタ・デル・ソルのテラス席は、近くの通りのバルよりはるかに高い価格設定ですが、価格が表示されていれば違法ではありません。ただし、マドリード州の規則では、いくつかの慣行が規制されています。
- 表示価格にはすべてのimpuestos(税、付加価値税を含む)が含まれていなければならず、会計で追加料金を上乗せしてはいけません。
- カウンター、店内、テラスで価格が異なる場合は、メニューまたは見やすい掲示で事前に示す必要があります。
- パン、カバーチャージ、お通しは、メニューに載っている場合にしか請求できません。案内がなく、注文もしていなければ、支払いを断れます。
- 店は、各注文とその価格を記した伝票を渡さなければならず、求められればhoja de reclamaciones(公式の苦情用紙)を出さなければなりません。
実際には、観光客向けの人気テラスでは座る前にメニューを頼み、飲み物と水の値段を確かめ、支払う前に会計を見直してください。スペインではサービス料は別途上乗せされず、チップは任意です。
タクシー:正規のタクシーの見分け方と料金
マドリードの正規タクシーは白い車体で、前ドアに斜めの赤い帯と市の紋章が付いています。屋根の緑のランプは空車の印です。空港では、各ターミナルの出口に表示されたタクシー乗り場にまっすぐ向かい、到着ロビーで送迎を持ちかけてくる人は無視してください。
アドルフォ・スアレス・マドリード=バラハス空港と、環状道路M-30の内側(旧市街の中心部をすべて含みます)の住所との間は定額で、昼夜を問わず33ユーロ、荷物の追加料金もありません。M-30の外側へ行く場合は、メーターが22ユーロから始まり、この金額に最初の9kmが含まれます。市内では、出発時にメーターが作動しているかを確かめ、到着時に領収書をもらってください。領収書にはタクシーの免許番号が書かれており、苦情や忘れ物の際に必要です。そのほかの中心部への行き方は、マドリード=バラハス空港から市内へのガイドで比較しています。
盗難に遭ったら:手続き
役立つ電話番号
| 状況 | 電話番号・窓口 | ポイント |
|---|---|---|
| 緊急(暴行、事故、急病) | 112 | 無料、24時間対応、多言語のオペレーター |
| 国家警察 | 091 | 刑事事件の被害届、警察署 |
| 市警察 | 092 | 街頭パトロール、公共の場でのトラブル |
| 観光客被害者支援(SATE) | 市の観光案内所 | 毎日10:00〜20:00 |
| 市の遺失物取扱所 | Paseo del Molino 7・9 | 月〜金 8:30〜14:00、予約制 |
| 市の案内電話 | 010 | 外国の電話からは914 800 010 |
営業時間は2026年10月時点で確認したものです。
被害届を出す(denuncia)
denunciaと呼ばれる被害届は、保険の請求、携帯電話の利用停止、領事館でのパスポートなど身分証の再発行に必要です。方法は三つあります。
- 警察署(国家警察)で。もっとも中心にあるのは、スペイン広場の近く、レガニートス通り19番地のセントロ地区警察署です。
- オンラインで、国家警察のオンライン被害届受付(オフィシナ・ビルトゥアル)から。暴力を伴わず、犯人が特定できない盗難の場合に使えます。被害届は、72時間以内にお好きな警察署で署名して初めて有効になります。フォームの最後に表示される受付番号を持って出向いてください。
- SATE(観光客被害者支援サービス)の助けを借りて。市と国家警察が運営するサービスで、2025年からはレガニートス警察署ではなく、市の観光案内所(マヨール広場の観光センター、Plaza Mayor 27など)に置かれ、毎日10:00〜20:00に対応しています。職員が、被害届の作成、クレジットカードの利用停止手続き、家族や大使館・領事館への連絡を手伝ってくれます。
出向く前に、銀行のアプリからカードの利用停止を行い、携帯電話が盗まれた場合は通信事業者に回線の停止を依頼してください。パスポートとカードの写真を安全なオンライン保管場所に残しておくと、あらゆる手続きが早く進みます。
落とし物
忘れ物が盗まれたとは限りません。市のOficina de Objetos Perdidos(遺失物取扱所)はPaseo del Molino 7・9(レガスピ地区)にあり、路上で見つかったものを集約し、交通機関からも受け入れています。月〜金の8:30〜14:00に開いていて、010または市のウェブサイトで予約が必要です。返却は無料です。地下鉄での忘れ物はまずメトロ・デ・マドリードで21〜28日、タクシーでの忘れ物はタクシー関連の窓口で48〜72時間、空港での拾得物は空港の事務所で1か月保管され、その後移送されます。
基本の心得まとめ
| 状況 | 心得 |
|---|---|
| 満員の地下鉄 | バッグは閉じて体の前、携帯電話は内ポケットへ、次の電車を待つ |
| ローズマリーやカーネーションを差し出された | 手に何も受け取らず、歩き続ける |
| 署名やノートを求められた | 署名せず、立ち止まらない |
| カップゲーム | 賭けない、人だかりから離れる |
| 私服の偽警官 | 身分証の提示を求め、警察署か091を提案する |
| ATM | 銀行の店舗内、キーパッドを隠す、ユーロで引き落とし |
| 観光客向けテラス | 座る前にメニューを読む、会計を確かめる |
| 空港からのタクシー | 正規の乗り場、赤い帯の白いタクシー、M-30内まで33ユーロ |
料金は2026年10月時点で確認したものです。日常のルールについては、マドリードで禁止・処罰されていることもご覧ください。
さらに詳しく
不意を突かれずに中心部を楽しむには、人の多い場所を示したマドリードの1日モデルコースをご利用ください。マドリードの交通のガイドでは切符とカードを説明し、マドリードのおすすめエリア・宿泊では、交通の便のよい宿を選ぶ手助けをします。体調を崩したときは、マドリードの医療・救急のガイドで、受診先と当番薬局の探し方を説明しています。マドリードの路上飲酒もご覧ください。あわせて読みたい:マドリードのマナーと避けたい失敗。







